院長ブログ

前期破水

[医療・医学など]

昨日に引き続いて産科婦人科学のお話です。

胎児は子宮の中で発育しますが、母体とは独立して羊膜に包まれた羊水の中で育ちます。通常の分娩では、陣痛がきて子宮口が開き、破水といって膜が破れ羊水もでて、お産になります。ところが陣痛がくる前に破水して羊水がでてきてしまうことがあります。これを前期破水といいます。

拙著「安産・新生児大全科」にも書いたように、破水したら、とにかく病院・医院・助産院に入院する必要があります。胎児への感染のリスクもあり、破水したら、通常24時間以内に出産になるのが望ましいといえます。

ところが、今日、テレビをみていましたら、「仰天」なことに、ある夜破水したのに気づきながら翌朝入院しようとした妊婦さんの話がでていました。大丈夫かなと番組をみていたら、夜中に産気づき、結局助産院に向かう車の中で出産されたということです。とっさ機転で臍の緒を押さえたというので、只者ではないと思ったら、産婦さんが助産婦という種明かしがありました。

というわけで、今日の教訓は、「破水したら入院してください」ということです。

2009年01月21日 23:18 [医療・医学など]

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