院長ブログ

マクドナルド

[医療・医学など]

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マクドナルドといえば、普通ハンバーガーでしょう。今日は産科婦人科学の世界におけるマクドナルドのお話をしましょう。

唐突かもしれませんが、子宮には頸部と体部があります。体部には月経をおこしたり、胎児を育てたりする大事な役割があることは皆さんもご存知かもしれません。マクドナルドにつながる頸部とてもも大切なのです。妊娠10ヶ月の間、胎児がでてこないようしっかり締まっていて、いざ出産のときは開いて赤ちゃんの通り道になるのです。

この頸部が妊娠途中で短くなったり、開いたりすると、流産や早産になります。それを防ぐ手術として、マクドナルト(M)とシロッカー(S)があります。左の写真のように、マクドナルドは出口をしばります。シロッカーは内子宮口といって頸部と体部の境界を締めます。SとMの違いがわかりますか。Sの方が根本的ですが、膀胱など周囲の組織を剥がしたりするため、大掛かりです。Mは姑息的ともいえますが、それなりに有効です。

手術の説明をしましたが、切迫流産や切迫早産の治療の基本は安静ですので、誤解のないようお願いします。

拙著「授かる」のあとがきにも記しましたが、私自身27年前子どもを28週で早産させてしまいました。なんとか育って欲しいという祈りが通じて成人してくれ、神様に感謝していますが、患者さんのためにはころばぬ先の杖にならなくてはと考える次第です。

2009年01月20日 23:59 [医療・医学など]

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