腹腔鏡下手術 | 腹腔鏡下手術論

性分化の異常と腹腔鏡下手術

男女の性決定・性分化のメカニズムはアダムとイブの神話以来、人類永年の夢であった。性分化あるいは性腺分化の仕組みについては、近年分子生物学の応用により、sex determining region Y (SRY)やMullerian inhibiting substance(MIS)の同定等がなされ、より深い理解が得られつつある(図6)。

図6.性分化のカスケード

原発性無月経は18才をすぎても月経の発来をみないものをいう。性分化の異常など特殊な病態を含むことが多く内分泌学的に興味があるばかりか、早期に治療を開始することにより経過を改善できる症例も少なくない。従って、15才を過ぎた場合18才未満でも通常の初経年令を勘案し検索の対象としてよいと考えられる。診断に当たっては既往歴・家族歴の詳細な聴取、身長体重体格等の全身所見、外陰腟乳房等の局所所見が重要であるが、鑑別診断の要点を述べる(図7)。

図7.性分化異常の鑑別

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